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エンジニアで実務経験が積めない時の解決法【22歳年収210万円から脱却した話】

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エンジニアとして働いているのに、思うように実務経験が積めずに悩んでいませんか?

テスト業務ばかりでプログラミングに触れる機会がない、運用保守の単純作業しか任されない、1年以上同じような業務の繰り返しで成長実感がない…

実は、実務経験が積めないのはあなたの能力不足が原因ではありません。 企業の営業力不足や多重下請け構造、案件の質など、環境的な問題 がほとんどです。

僕も22歳で年収230万円のときは、運用保守業務から始まり、実務経験が全く積めない状況を経験しました。でも、転職エージェントに頼りつつ、実務経験を積める企業に転職した結果、現在は想っていた通りの経験を積めています。

この記事では、実務経験が積めない代表的な5つのパターンと、僕が実際に試して効果があった解決策を詳しく解説します。

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現役エンジニア|つかさ

Frontend Engineer / SEO Writer / Web Media Manager

現在20代後半、エンジニア歴5年で転職3回+フリーランス1回を経験。最初はマークアップ作業から始まり、今ではフロントエンド開発やインタラクション実装まで幅広く担当。

正直、僕は特別な経歴も無いし、強い実績を持ったエンジニアではありません。

・転職で失敗したこともあるし
・技術の習得に苦労したこともあるし
・年収交渉でうまくいかなかったこともある
・もっと成長したくてフリーランスから正社員に戻ったこともある

読者と同じような立場で悩み、選択してきた経験を共有することで、少しでも良い判断材料になればと考えています。華々しい成功談ではなく、等身大のエンジニアの歩みを記録する場所として運営中。

AID-TRUTH Members.

AID-TRUTHは、バックエンドエンジニアやディレクター、人事で活躍する人など、現役で活躍する人たちが実体験を活かしてコンテンツ発信をしています。

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エンジニアで実務経験が積めないパターン

エンジニアとして働いているのに実務経験が積めないパターンは、大きく5つに分類できます。

僕自身の経験と、転職活動中に出会った多くのエンジニアの話を聞いた結果、実務経験が積めない原因はほぼ以下のパターンに当てはまることがわかりました。

まずは、あなたの現在の状況がどのパターンに該当するか確認してみてください。

A. 業務内容の問題(オペレーター系作業)

1. 単純テスト業務

仕様書通りの打鍵作業のみで、バグ解析やテスト観点の検討は一切行わない業務です。

毎日決められた時間に画面をクリックして、エラーが出ていないかを確認するだけ。バグが発生しても報告するだけで、修正は別の人が担当と言った具合。

このような「モンキーテスト」と呼ばれる業務は、3ヶ月程度の短期間なら仕方ありませんが、1年以上続けるとエンジニアとしてのスキルが全く身につきません。

2. 事務的雑用業務

Excel作業・資料作成中心で、会議資料の整理やヘルプデスク対応がメインの業務です。

ITエンジニアという名目で入社したにも関わらず、実際はExcelでデータをまとめたり、顧客からの問い合わせ対応に追われる毎日… こうした業務は、エンジニアとしての技術力向上には直結しません。

3. IT業務と無関係

研修と称して家電量販店やコールセンターに派遣される、最も避けるべきパターンです。

「エンジニアとして採用されたのに、なぜ家電量販店で接客?」 このような企業は、エンジニアを使い捨ての労働力としか考えていません。

B. 環境・構造の問題(企業体質系)

4. 営業力不足・案件不足

企業に案件獲得力がなく、エンジニアが待機状態になる、または質の低い案件しか受注できない状況です。

営業力の弱い企業では、以下のような問題が発生します:

5. 多重下請けの下層

3次請け以下の下請け企業で、上流工程には一切関われない構造的問題です。

IT業界の多重下請け構造

下請けの階層が下がるほど、以下の問題が深刻化します:

実際に僕も転職活動中に、3次請け中心の企業から内定をもらったことがありますが、面接で確認したところ「基本的にはテスト業務中心になります」と言われ、辞退した経験があります。

C. 技術・成長の問題(スキル停滞系)

6. 古い技術・需要のないフレームワーク

市場価値の低い技術スタックでの開発が中心で、転職時に評価されない技術経験しか積めない状況です。

例えば:

僕の知人にも、社内独自のフレームワークで3年間開発していたものの、転職活動では「実務経験なし」と判断された人がいます。

7. 開発工程に関われない

テストフェーズのみの参加で、設計・開発は他社が担当する構造的問題です。

この場合、システムの全体像が理解できず、「なぜこの仕様になっているのか」「どういう技術判断でこの実装になったのか」という重要な部分を学ぶ機会がありません。

8. 1人作業中心(チーム開発経験なし)

チーム開発の経験がなく、Git管理やコードレビューなどの実践的スキルが身につかない状況です。

現代のエンジニア転職では、以下のスキルが当然のように求められます:

1人開発ばかりだと、これらの「チームで働くスキル」が全く身につかず、転職時に大きなハンデとなります。

9. 地方での案件不足

一都三県以外では、エンジニア向けの質の高い案件自体が少ないという地理的制約です。

地方のIT企業でよくある問題:

実際に、僕の地元でもエンジニア求人を調べたことがありますが、大半が「事務」や「システム管理」といった内容で、開発エンジニア向けの求人は数える程度しかありませんでした。


上記の9パターンに当てはまる場合、個人の努力だけで状況を改善するのは困難です。なぜなら、これらは企業の営業力・案件獲得力・技術方針といった「環境要因」が原因だからです。

このような状況の根本的な解決のための行動を、次にまとめていきます。

結論:実務経験を積める企業に転職するのが一番

職場環境の問題は個人の努力ではどうしようもない

本当に頑張ろうとしている人は、無理に自分の能力不足と思わなくて良いと思います。下記のような「働く環境の問題」はざらにあります。

例えば、実務経験が積めないパターンでもお伝えしてきた多重下請け構造問題。

多重下請け構造とは、元請け企業が受注した業務をさらに下請け企業に委託し、その下請け企業がさらに別の下請け企業に委託するというように、業務が多段階にわたって再委託される構造のことで、どうしても下層だと受注金額が低くなってしまう問題はあります。

元請け・下請けの構造イメージ
引用元:SOLUTION | 株式会社ビズリンク

その構造の下層部分で働いていると、どんなに努力してもエンジニアとしての実務経験は積めないケースがほとんどです。

個人開発は武器になるが実務経験扱いされない現実

「実務経験が積めないなら個人開発で補えばいい」と考えがちですが、個人開発は評価対象になっても「実務経験」として扱われない場合が多いです。

なぜなら、実務経験には以下の要素が含まれるからです:

もちろん、個人開発をしていない人と比べて、個人開発をしている人の方が転職時に評価してもらえます。ただ、それだけでは将来的に市場価値を上げるのには限界があるということ。

だから、早めに転職をして、上記のような経験を積むチャンスのある職場で働いた方が将来的に市場価値が上がっていきます。

転職時は、素直に転職エージェントに頼った方が良い

僕自身も経験したことがあるので分かるのですが、こんな悩みはいくらでも出てくると思います。

複数回の転職を経験して思ったのは、転職は一人で進めるべきじゃないってことです。エンジニア特化型の転職エージェントを使えば、プロのキャリアアドバイザーが経歴のアピール方法やベストな企業の探し方まで、丁寧にサポートしてくれます。

今まさに現職で実務経験が積めないと悩んでいる人は、先に転職エージェントを利用するのが良いと思います。あと、登録したら必ず転職しないといけない訳じゃないので、それも安心ポイント。

転職エージェントだと「企業の内部情報を詳しく教えてもらえる」

下記みたいな1人だと得られないような情報を、企業担当の営業から伺うことができます。

こうした「求人票には書けないリアルな情報」を事前に知ることで、転職後のミスマッチを避けることができます。

筆者が実際に使ったエンジニア特化型の転職エージェント

僕がこれまで3回の転職活動で使わさせてもらっていたエンジニア特化型の転職エージェントをいくつか載せておきます。無料の初回面談から気軽に悩みを打ち明けられるので、よかったら見てみてください。

IT・Web業界での転職なら【レバテックキャリア】
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IT・Web業界特化の転職エージェント【ユニゾンキャリア】
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僕が転職で実際に行った3つの行動【22歳・年収230万円からの成功体験】

転職が最も効果的とは言っても、「具体的にどうやって実務経験を積める企業に転職すればいいの?」という疑問があると思います。

ここでは、僕が22歳・年収230万円のプロ野球サイト運用保守業務から、実務経験を積める環境に転職するまでに実際に行った3つのアクションを詳しく解説します。

どれも今すぐ始められる内容なので、あなたの状況に合わせて参考にしてください。

① 現職で実務経験が全くない場合は個人開発を頑張った

現職の実務経験だと、レガシー環境が多いとか、そもそもの新規制作案件が少ないとか、自分の理想の開発ができないと悩んでいる場合は、個人開発で市場価値を分かりやすく提示するのが手っ取り早いです。

転職の時に「ただ現職から抜け出したいだけじゃなくて努力しているんだ、成長意欲・学習意欲があるんだ」と思ってもらえるよう、個人開発に力を入れました。

目で見て伝わる実績を作れば、転職時のアピールにも有効活用できます。以下は、僕が実際に試した個人開発。フロントエンドエンジニアの例ですがご参考までに!

Next.jsポートフォリオ制作で技術力の信憑性を高める

実際に制作したNext.jsポートフォリオでは、ヘッドレスCMSの「Newt」に登録したコンテンツを連携したり、本人に気になることを質問して回答できるような簡単なリアクティブな機能、jsonで受け取った画像リストをギャラリーとして展開する簡単なページなど、様々な技術を試すことができました。

デザインやインタラクションは極々シンプルなものでしたが、学習した内容をアウトプットすることで、職務経歴書に書いた「Reactを使ったプロジェクト」の信憑性が大幅に向上しました。

直接的に年収につながったわけではないかもしれませんが、本来なら技術レベル的に落とされる可能性を阻止できた所感はあります。基礎は理解していることを証明できたのです。

Vue.js + GSAPで飲食店LP実装

元々は個人で取れた案件でしたが、クライアントの経営問題で請け負えなくなってしまいました。しかし、構成やデザインをオリジナルのものに変更して実績として残すことで、結果的に市場価値のあるポートフォリオ材料に変換。

飲食スペースの紹介でちょっとリアクティブな機能を持たせたり、GSAPを使ってインタラクション実装したりと、Vue.jsの実践的な使用経験を積むことができました。

当時、まだまだ実務経験が浅い段階で、JavaScriptフレームワークを使った仕事の実績が少なかったため、転職時のアピールポイントとなりました。

個人開発で得られた具体的な効果

ただし、個人開発だけでは実務経験の代替にはならないことも理解していました。あくまで「転職を有利に進めるための武器」として位置づけていたのです。

② 現職で何か少しでも改善を試みた

それと並行して、現職でも可能な範囲で改善提案を試みました。

プロ野球サイト運用保守での改善提案

僕が22歳の時に担当していたプロ野球サイトの運用保守業務では、毎日決められた時間に手動でチェック作業を行う必要がありました。

「これ、自動化できるんじゃないかな?」

そう考えた僕は、独学で学んだJavaScriptを使って簡単な自動チェックツールを作成しました。

具体的な改善内容

この改善提案が評価され、1ヶ月後に新規のLP制作案件に関わる機会をもらうことができました。

改善提案で得られた効果

ただし、これでも根本的に「実務経験を積める環境」にはなりませんでした。なぜなら、会社全体の方針や案件の性質は変わらないからです。

それでも、転職活動では「現職でも努力している姿勢」を具体的にアピールできたので、やっておいて良かったと思っています。

③ エンジニアとして実務経験を積める企業を見極める

実務経験を積むために転職するなら、以下の3つの判断基準で企業を選ぶことが重要です。

僕が実際に4回の転職で使った基準なので、参考にしてください。

① 仕様設計・調査など、企画・設計段階から関与できる案件があるか

仕様設計から携わる案件があるかどうかは大切な判断軸だと思います。 環境構築や技術選定、実現可能性の調査まで携わることができると、提案能力も伸びるし、多角的な知見も溜まります。

転職エージェントでの求人選択で「設計段階から関わることのできる案件が多いか」など具体的に確認できると良いと思います。

良い例

避けるべき例

② クライアントの課題を解決できる機会があるか

単なる「システム開発の下請け」ではなく、クライアントの課題解決に関われる環境があると良いと思います。

僕がディレクターとして営業と一緒にクライアントヒアリングに参加した経験では、マーケティング改善の課題をLP実装で解決するという流れで、技術力だけでなくビジネス視点も身につきました。

こうした機会がある企業は、長期的にエンジニアとして価値を高められる環境だと思います。

良い例

避けるべき例

③ 2,3次請けなど極端な下請け案件ばかりではないか

僕は実務経験0〜2年の頃に2次受け中心の企業にいましたが、やはり元請けや1次請け企業が仕様設計したものを請け負うイメージで、全体を見渡す機会が限られていました。

下請けが悪いわけではありませんが、元請けに近いほど責任ある立場で案件に関われますし、昇給の面でも有利になります。

企業のWebサイトで実績として公表されている案件があるかどうかも、一つの判断材料になります。

見極めポイント

まとめ|素直に転職エージェントを使った実務経験を積みながら市場価値を高めよう!

色々自分でもやってみたいが、時間がない...というより早くこの環境を抜け出したい...そんな気持ちは込み上げる時はあるはずです。 やっぱり転職エージェントの利用と並行して個人開発もする、といった流れが安牌。

ここからは、実際に僕が活用して良かった具体的なポイントを最後にまとめておきます。

1. 企業の内部情報を事前に教えてもらえた

こうした情報により、面接準備がピンポイントでできました。

2. 職務経歴書の改善サポート

エージェントの担当者から以下のアドバイスをもらい、書類選考通過率が大幅に向上しました:

具体的な技術と成果物を明記することで、技術レベルが一目でわかるようになりました。

3. 面接日程の調整や年収交渉を代行

働きながらの転職活動では、面接日程の調整が大変です。 エージェントが間に入ることで、企業との連絡を全て代行してもらえました。

また、年収交渉も「市場価値として妥当な金額」を根拠を持って交渉してもらえたので、自分で交渉するより良い条件を引き出すことができました。

最終的な転職成果

転職エージェントを活用することで、「実務経験を積める企業」への転職が現実的になりました。

筆者が実際に使ったエンジニア特化型の転職エージェント

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