エンジニアとして働いているのに、「本当の意味での実務経験が積めない」と悩んでいませんか?
同期エンジニアとの技術力差に焦りを感じ、このまま続けていても成長できるのか不安になりますよね…
実は、僕も22歳の時に年収230万円でプロ野球サイトの運用保守をしながら、同世代との110万円の年収格差に絶望していました。
この記事では、実務経験が積めない絶望的状況から現在まで成長できた実体験をもとに、実務経験を積む具体的方法、転職すべき判断基準、26歳・実務経験2年半の読者への提言をお伝えします。
読み終える頃には、今の状況が改善できるという希望と、具体的な行動指針が明確になります。
WRITER
現役エンジニア|つかさ
Frontend Engineer / SEO Writer / Web Media Manager
現在20代後半、エンジニア歴5年で転職3回+フリーランス1回を経験。最初はマークアップ作業から始まり、今ではフロントエンド開発やインタラクション実装まで幅広く担当。
AID-TRUTHは、バックエンドエンジニアやディレクター、人事で活躍する人など、現役で活躍する人たちが実体験を活かしてコンテンツ発信をしています。
INDEX
正直、僕は特別な経歴も無いし、強い実績を持ったエンジニアではありません。
・転職で失敗したこともあるし
・技術の習得に苦労したこともあるし
・年収交渉でうまくいかなかったこともある
・フリーランスで営業が辛くて正社員に戻ったこともある
読者と同じような立場で悩み、選択してきた経験を共有することで、少しでも良い判断材料になればと考えています。華々しい成功談ではなく、等身大のエンジニアの歩みを記録する場所として運営中。
『AID-TRUTH』は、複数の転職サービス・企業と提携しており、当サイトを経由してサービスへの申込みがあった場合、各企業から報酬を受け取ることがあります。ただし、当サイトで紹介するサービス・企業は、運営者の実体験と独自の評価基準に基づいて掲載しており、提携の有無や報酬額が評価に影響することはございません。また当サイトで得た収益は、サイトを訪れるエンジニアの皆様により役立つコンテンツを提供するために、情報の品質向上・体験談の追加・最新情報の更新等に還元しております。
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実務経験が積めない現実と絶望的心境【年収230万円・同世代との110万円格差】
プロ野球サイト運用保守業務の実際【22歳の絶望体験】
僕が22歳の時、プロ野球球団の公式サイト運用保守を担当していました。
「プロ野球サイト」と聞くと華やかに思えるかもしれませんが、実際の業務は…
実際の業務内容
- ページの定期更新(ニュースページなど)
- 選手データの手動更新(Excel → サイトへの転記作業)
- 試合結果の入力作業(決められたフォーマットに数字を入力)
- サイトの表示確認(毎日同じページを目視チェック)
- 試合時の夜間サイト監視(試合スコア中継表示処理に問題がないかチェック)
毎日8時間、これらの単純作業を繰り返していました。
他の案件でLP実装などは担当できていたものの、「これで本当にエンジニアと胸を張って言える仕事か...?」と疑問に思う日々でした。
同世代エンジニアとの年収格差に感じた劣等感
特に辛かったのは、大学時代の友人との格差でした。
同期との格差の現実
- 僕の年収:230万円(月収約19万円、ボーナスなし)
- 同期A(自社開発):340万円(月収23万円、ボーナス年2回)
- 同期B(SIer):380万円(月収25万円、ボーナス年2回)
同じ「エンジニア」という肩書きなのに、年収差は110万円から150万円。
この差は技術力の差でもあり、経歴の差でもありました。大学で理工学部として4年間学んでいきた人もいるし、多くの点でキャリアの違いを感じていました。
友人たちはReactやVue.jsの話をしているのに、僕はHTMLの静的ページ修正程度しか経験がない。
技術的な会話についていけず、「同じエンジニアなのに、こんなに差があるのか…」と劣等感を強く感じていました。
とは言え、下記のようにマークアップメインの人とアプリケーションエンジニアでは市場価値が違います。アプリケーションでなくとも、システムの関わるフロント開発の方が、マークアップメインよりも年収が高いのは事実。
マークアップ | アプリケーションエンジニア | |
---|---|---|
平均年収 | 376万円 | 441万円 |
年収中央値 | 450万円 | 450万円 |
月収・給料 | 24万円 | 28万円 |
賞与 | 47万円 | 55万円 |
「末端の作業担当者にしかなれない」という不安の正体
最も不安だったのは、「このまま続けていても、いつまでも末端の作業担当者のままではないか」 という恐怖でした。
不安の具体的内容
- 技術力が身につかず、転職時に評価されない
- 年齢を重ねても年収が上がらない
- 将来的にAIに置き換えられる作業しかできない
- 同期との差がどんどん開いていく
先輩を見ても、3年目、5年目になっても同じような作業をしているのを見て、「自分の未来もこうなるのか…」という不安がありました。
今のままでは、本当の意味でのエンジニアスキルは身につかないと思い始めていました。
現職で実務経験を積む道を選んだ理由と実行方法【改善提案から1ヶ月でアサイン】
JavaScript学習と開発環境構築への挑戦
転職も考えましたが、まずは現職での改善可能性を探ることにしました。
当時の僕は実務経験が少なく、転職活動で不利になる可能性があったからです。
現職改善を選んだ理由
- 転職活動での「実務経験」のアピールポイントが少ない
- 面接で技術的な質問に答えられる自信がない
- 22歳という年齢での転職回数を増やしたくない
そこで、業務外でJavaScriptを本格的に学習し始めました。
学習内容
- Progate、ドットインストールでの基礎学習
- 実際のプロジェクトでGulp/Webpackの環境構築に挑戦
- ローカル開発環境の構築(Node.js、npm)
- 簡単なWebアプリケーションの個人開発
この学習と並行して、現在の運用保守業務の改善点を洗い出していきました。
運用保守改善提案の具体的内容と成果
学習したJavaScriptの知識を活かして、実際の業務改善提案を行いました。
改善提案の内容
- JavaScriptを使った入力フォームのバリデーション追加
- 表示確認作業の効率化ツール作成
- Gulpを使ったビルドプロセスの導入提案
正直、技術的にはそれほど高度なものではありませんでした。
でも、重要だったのは「現状の課題を技術で解決する」というエンジニアらしいアプローチを示したことです。
上司に提案書を提出し、「業務外で学習した技術を実務に活かしたい」と伝えました。
1ヶ月でのスピード評価・新規案件アサインの経緯
提案から約1ヶ月後、思いがけない展開がありました。
上司から声をかけられ、「ECサイトの新しい制作案件があるんだが、やってみるか?」と言われたんです。
新規案件の内容
- 企業のコーポレートサイト制作
- HTML/CSS/JavaScriptを使った実装
- レスポンシブデザインの対応
- CMSの導入・設定
もちろん、ベテランのフロントエンドエンジニアの下について、並走してもらう形ではありましたが、これまでの運用保守とは全く違う、まさに「開発」の仕事でした。
後から聞いた話ですが、僕の改善提案を見て「この子は自分で学習して提案できる。開発案件を任せてみよう」と判断してくれたそうです。
成果として得られたもの
- 実際のWeb制作プロジェクト経験
- クライアントとのやり取り経験
- Git/GitHubを使ったバージョン管理
- 制作スケジュールの管理経験
これらの経験により、転職活動で話せる「実務経験」が一気に増えました。
現職で頑張るべき人・転職すべき人の判断基準
この経験を通して、「現職で改善を図るべき人」と「転職すべき人」の判断基準が見えてきました。
現職で頑張るべき人の特徴
- 自分と近い年代の人の年収が高い
- 会社の売り上げが高く、十分に高い昇給が見込める
- 改善提案に対して前向きに検討してくれる
- 自社で仕様設計を担う案件がある
転職すべき人の特徴
- 下請け企業等で他社と比べて利益が多くはない
- 自分と同じ年代の人も年収が低い
- 開発案件が少ない or 今後受注する予定ない
- 1年以上同じ作業を続けている
僕の場合は、本当に良い会社だったので前者のパターンでしたが、もし後者の状況だったら迷わず転職していたと思います。
現職での改善可能性を3ヶ月程度試してみて、変化がなければ転職を検討するのが良いでしょう。
転職活動を始めたら必ず転職しないといけない訳じゃありません。僕の場合は、転職エージェントに登録してみて、プロのキャリアアドバイザーの今の悩みを打ち明け、「転職すべきかどうか」から相談に乗ってもらった経験があります。
そこで学習すべき技術も理解できたし、やっぱりまずは行動してみるのがいいなと実感できました。
もしエンジニアに特化した転職エージェントに興味があれば、下記のページにまとめているので見てみてください。
筆者が実際に使ったエンジニア特化型の転職エージェント

転職で見えた新しい世界と成長【元請け企業での視野拡大体験】
元請け企業で理解した営業・クライアント対応の重要性
本当に良い会社だったのですが、その後より成長できる環境を求めて転職活動を行い、元請け企業に転職しました。
当時は一応下請けメインではあったので、その時には見えなかった「営業」や「クライアント対応」の重要性を初めて理解しました。
下請けと元請けの決定的な違い
下請け時代
- 受注金額が元請と比べると低い場合が多い
- クライアントの要望が見えづらく作業感がある
- 制作仕様が既に決まっているパターンが多い
元請け時代
- 会社がクライアントと直接やり取り
- 要件定義から参加
- ビジネス的な視点での技術選択
- 提案型の開発
決定的な違いは、受注金額。受注金額は会社の利益・自分の収入にも影響するので、もちろん高単価案件である方が良いです。ヒエラルキー的には、下記のような元請け・下請けのギャップがあります。
また、クライアントから「こんな機能が欲しい」と言われた時に、「技術的にはこの方法がおすすめです」「セキュリティ面でこの配慮が必要です」といった提案ができるようになりました。
これは単純にプログラミングができるだけでは身につかない、エンジニアにとって重要なスキルです。
チーム開発・非エンジニアとの連携スキルの発見
これは、下請け・元請けとは直接関係はないですが、転職先企業では、様々な職種の人と連携する機会が増えました。
関わった職種
- ディレクター(プロジェクト進行管理)
- デザイナー(UI/UXの設計)
- 営業(クライアント対応)
- マーケター(サイト運用・改善)
それぞれの専門分野を理解し、技術的な観点から適切なサポートをする能力が求められました。
具体的な連携例
- デザイナーからの依頼:「このインタラクションは実装可能ですか?」
- 営業からの相談:「クライアントがこの機能を要求しているが、工数はどの程度?」
- マーケターとの協議:「アクセシビリティ改善が必要で、マークアップ的にどんな対策が効果的?」
これらの質問に技術的根拠をもって答えるチャンスを得たことで、エンジニアとしての価値が大きく向上しました。「コードを書けるだけ」から「ビジネスに貢献できるエンジニア」への成長を実感しました。
転職後に実感した技術力の飛躍的向上
転職前後で、技術力と実務経験の成長スピードが劇的に変わりました。
転職前の技術的制約
- 使用技術が固定(jQuery、ejs等テンプレートエンジン)
- 新しい技術の導入は1次請け企業が決定
- フレームワークやライブラリの選択権なし
- レガシーコードの保守が中心
転職後の技術的自由度
- 仕様・設計段階からの参画
- 技術選定の提案・決定に参加(React、Vue.js、開発環境等)
- 新しいツールやフレームワークの提案・検証
- 技術的負債の解消プロジェクトにも参画
特に大きかったのは、技術的判断の責任を持つ という経験でした。
転職前は「指定された技術を使う」だけでしたが、転職後では「なぜその技術を選ぶのか」「どんなメリット・デメリットがあるのか」を説明する必要があります。
実務経験の質的向上
転職後は実務経験を積極的に積める機会が多くなり、着実に実力が伸びていきました。
- 要件定義参加 : クライアントニーズの技術的解釈
- 技術提案 : 課題解決のための技術選定・提案
- フィジビリ調査 : 技術的に可能か調査して提案
- バックエンドとの連携 : 他職種エンジニアと相談しながらフロント側でAPI繋ぎ込み
「技術を使う」から「技術を選ぶ・提案する」への変化が、エンジニアとしての成長を大きく加速させました。
実務経験が積めないと悩むあなたへ【転職3回の経験者からのメッセージ】
「転職活動に踏み出してみて欲しい」- 強いメッセージの理由
もし迷っているなら、転職活動に踏み切って行動してみてください
なぜそこまで言うか、22歳 〜 27歳、実務経験が1年 〜 4年、この辺りってポテンシャル採用として十分に市場価値は高いです。逆に、実務経験が積めない状態を中途半端にずっと維持してしまうと、歳を追うことにリスクが増えてきます。
不安を抱えながら留まり続けることのリスク
- 実務経験4年以上から、ある程度の即戦力が期待される
- 30歳になると「中堅」として見られ、より高いスキルが求められる
- 限定的な開発環境の実務経験はキャリアを狭める可能性もある
僕が22歳で転職活動をした時と、26歳で転職活動をした時では、企業からの期待値が明らかに違いました。
「現職でもう少し頑張ってから…」と考える気持ちはわかりますが、行動しないと分からないこともあります。
転職活動は内定を取ることが目標ではなく、「自分の市場価値を客観的に把握すること」と捉えると行動に踏み切る意味も強くなってきます。
転職エージェント活用の重要性【実体験ベース】
もし転職活動に踏み切ろうと思った人、重要なのは、転職エージェントでプロのキャリアアドバイザーに相談する ことです。
僕は3回の転職すべてで転職エージェントを活用しましたが、1人だと転職知識も無くうまくいかなったと思ってます。
転職エージェント活用のメリット
- 自分では見つけられない求人の紹介
- 職務経歴書の添削・面接対策
- 企業との年収交渉代行
- 転職市場の動向・相場感の共有
特に「実務経験が少ない」と感じている方ほど、エージェントの価値は大きいです。
実体験での効果
- 自己PR方法の改善:「運用保守」→「安定稼働への貢献と改善提案」
- 面接対策:技術的質問への答え方を具体的にアドバイス
- 企業選択:実務経験を積める企業の見極め方を教えてもらう
今すぐ始められる3つの具体的アクション
読者の方に今日から始めてほしい行動を3つお伝えします。
Action 1: 転職エージェントの面談申込み
- レバテックキャリア、Geekly、リクルートエージェント等に登録
- 面談で自分の市場価値を客観的に把握する
- 「転職する・しない」は後で決めればOK
Action 2: 現在の業務の棚卸し
- これまでの業務を「技術的成長」の観点で整理
- 職務経歴書に書けそうなエピソードを洗い出す
- 改善提案できそうな業務課題を特定
Action 3: 技術学習の計画立案
- 現在の技術スタックの棚卸し
- 市場価値の高い技術の学習計画作成
- ポートフォリオ作成・改善の計画
この3つのアクションを並行して進めることで、「転職」と「現職改善」の両方の準備ができます。



転職活動は「転職することを決める」活動ではなく、「自分の市場価値を知る」活動です。転職活動を通して得られる情報は、現職での交渉材料にもなります。
まとめ:実務経験が積めない状況は必ず変えられる
最後に、この記事の要点を3つにまとめます。
重要ポイント1: 現状認識と判断基準の明確化
実務経験が積めない原因は、企業側の問題がほとんどです。
- 個人のスキル不足だけが原因ではない
- 環境が変わらない場合は、自分が環境を変える必要がある
- 3ヶ月の改善努力で変化がなければ転職を検討する
重要ポイント2: 年齢を重ねることのリスク
26歳は転職における重要な節目です。
- 20代後半は「若手」として評価される最後のチャンス
- 30歳を過ぎると求められるスキルレベルが大幅に上がる
- 「もう少し頑張ってから」という考えは危険
重要ポイント3: 転職活動は情報収集から
転職活動は「転職すること」が目的ではありません。
- 自分の市場価値を客観的に把握することが重要
- プロの転職エージェントからのアドバイスは貴重
- 得られた情報は現職での交渉材料にもなる
僕の22歳・年収230万円の絶望的状況から現在まで成長できたのは、「現状に甘んじず、行動を続けた」からです。
あなたも、今の状況は必ず変えられます。
まずは小さな一歩から、行動を始めてみてください!


