実務経験が2年目になるエンジニアは、下記を意識し始めていませんか?
- 実務経験2年目のエンジニアの市場価値が知りたい
- 今の経験値で転職したら給料・年収は上がるのか...
- 実務経験2年目でフリーランスになれるか
- 実務経験別の年収アップ率や実際の年収データが知りたい
この記事では、これまで未経験からの転職や年収アップ&スキルアップ転職を実現してきた現役のエンジニアが上記の疑問を解消していきます。
さらに、筆者からキャリアが20年以上ある現役人事に、実務経験2年目のエンジニアの市場価値をインタビューした人事目線の意見もまとめています。
今の自分は転職した方が良いか、転職すればもっとスキルアップできるか、どうすれば年収アップできるか....この記事を読んで答えを見つけてもらえると幸いです。
WRITER
Tsukasa|現役エンジニア
Frontend Engineer / Web Creator / SEO Writer / Web Media Manager
現役のフロントエンドエンジニアで、「在庫管理アプリのフロントエンドリード」「プロ野球球団公式サイトの運用保守リーダー」「ECサイト実装」「Webサイト・LP実装」などの実績を積みながら、現在もWebクリエイティブ会社で活躍中。未経験からフロントエンドエンジニアに転職成功した実体験も活かして、当メディアを運営させていただいております。
AID-TRUTHは、バックエンドエンジニアやディレクター、人事で活躍する人など、現役で活躍する人たちが実体験を活かしてコンテンツ発信をしています。
初めまして!この記事のアドバイザーをさせていただく現役で人事として働いている「にこはら」です!
約20年に渡って培ってきた採用管理や組織コンサル、人事総務・労務管理、会社メンバーと共に歩んできた人事制度の構築や新卒採用の経験、自分自身が転職・キャリアアップしてきた経験などを活かして、この記事のサポートをさせてもらいます!
・プロフィールページ
・X(旧Twitter)
INDEX
【結論】実務経験2年エンジニアの市場価値は高い。平均年収も合わせて解説
にこはらさん、人事の視点で見て実務経験が2年になるエンジニアの市場価値は、どのように考えていますか?
実務経験が2年あれば、人事としても、転職市場における市場価値は十分に高いと考えますよ!
2年在籍している人であれば、運用保守やテンプレ化されている拡充等の日常業務にも十分慣れているだろうし、受託や自社開発等に限らず、新規開発や設計から必要な改修などチャレンジングな案件も人によってしているのでは?と思いますし...
ひとまず、十分に期待ができる経験値だと判断しますよ。企業としても未経験や新卒と比べれば教育コストも抑えられますし、採用したあと基礎業務に慣れさせたら早速色々任せていきたい...と考えるくらいには、市場価値は高いです。
なるほど!即戦力と扱えるくらいには十分に市場価値が高いと言えるのですね。次に、気になる人も多いと思うので、実際の年収データや給料アップを目指せるかなどもまとめていきます。
【年収データ】実務経験数別の給料
まずは経験年数毎の SE(システムエンジニア)の年収・給料データを見てみましょう。
経験年数(全年齢合計) | 平均年収 | 手取り年収 | 手取り月収 |
---|---|---|---|
0年 | 328万円 | 260万円 | 22万円 |
1〜4年 | 411万円 | 325万円 | 27万円 |
5〜9年 | 493万円 | 385万円 | 32万円 |
10〜14年 | 545万円 | 424万円 | 36万円 |
15年以上 | 643万円 | 494万円 | 41万円 |
※ 手取りは、会社勤め・扶養親族なし・給与所得控除、基礎控除、社会保険料控除のみ考慮して計算されています
実務経験2年であれば、328万円 〜 411万円のレンジが目安になってきます。職種別やエンジニアの年収事情について詳しく知りたい人は、下記も参考にしてみてください。
実務経験2年のエンジニアは年収アップできる可能性が高い
ぶっちゃけ「給料アップしたい」「現職の昇給に不満がある」という人も多いと思うのですが、実務経験2年のエンジニアは給料アップを目指せますか?
実務経験2年のエンジニアは十分に給料・年収アップを目指せます。転職市場として一般的に20万〜30万の年収アップが目安ですが、頑張り次第ではもっと上も目指せます。参考程度に、経済産業省が調査したIT業界のスキルレベル別の年収を見てみましょう。
上記のデータは基準に考えると、実務経験2年目の市場価値としては下記のパターンで見られることが多いかと思います。
- レベル2扱い:ポテンシャル採用。業務を熟せる技術力はあるが、上司の教育の元さらにステップアップしてもらう感覚
- レベル3扱い:いきなり教育なしは厳しいが、半年くらい慣れてもらったら単独で色々捌いてもらいたい感覚
筆者もちょうど実務経験が2年になる頃に転職した経験があるのですが、採用側やキャリアアドバイザーからは「一応ポテンシャル採用にはなるけど、今のスキルレベルは十分に評価できるから平均より年収アップさせられる」と言った評価を受けました。
実務経験2年のエンジニアの選択肢と市場価値の上げ方
実務経験2年のエンジニアの妥当な選択は、下記のパターンです。
- さらなる対応力・技術力アップを目指して転職
- 要件定義・設計など上流に関われる企業へ転職
- プロジェクトマネージャー等の上流工程の職種に転職
1/3|さらなる対応力・技術力アップを目指して転職
スペシャリストとしてさらなる技術力アップを目指して転職をするのが王道のパターンです。採用面接でも必ず転職理由が聞かれるので、下記の点は必ず整理しておきましょう。
- 現職で培ってきた技術と成果を整理
- 現職では実現のできない仕事を話せるように
- キャリアアップ・技術力アップに必須のこと
現職では実現できないことは必ず話せるようにしましょう。採用側に「この人別に転職する意味ないんじゃないか?」と思われたら採用を勝ち取れません。
例えば、現職では構築済みの環境でルール通りの作業をする事が多いのが悩みなら、今の知識を活かして設計や環境構築にも携われる仕事を実現できないかなど、あらゆる角度で現状と理想のギャップを整理すべきです。
また、習得すべきスキルが漠然としている人は、転職市場で需要のある下記のプログラミング言語を習得できる環境を目指したり、すでに身に付けているならさらにレベルアップできないか、色々探っておきましょう。
需要の高いプログラミング言語リスト
言語 | 言語別求人数比率 |
---|---|
JavaScript | 14.4% |
Java | 12.8% |
PHP | 11.8% |
Python | 9.6% |
TypeScript | 8.8% |
C# | 8.3% |
Ruby | 6.0% |
C++ | 5.1% |
Kotlin | 4.2% |
Swift | 4.1% |
Go | 4.0% |
※「転職で企業からニーズが高い言語ランキング」(言語別求人数比率)調査方法:
2022年、2023年に「paiza転職」で掲載された求人票に占める各言語の割合を集計(2022年延べ求人票掲載数:31,699件、2023年延べ求人票掲載数:20,857件)、言語別求人数比率に従いランキングを作成
※ 4.0%以下は省略
2/3|要件定義・設計など上流に関われる企業へ転職
もし現職でテスターや保守運用、単純な工程の仕事ばかりの人は、実務経験がまだ少ないうちに、設計や要件定義に関われる環境を経験すべきです。
給料・年収としては、自社開発や1次受けの受託開発やSIerの方が高い年収帯にあり、そういった企業の採用を勝ち取るためには、考える力(設計力や要件定義力)が最重要になってきます。
ひとまず、どんなポジションどんな企業を目指すにしろ、エンジニアとしては仕様書や既存ルールに従って構築するスキルとは別に、設計や要件を定める力が必須なので、1次受けの受託や自社開発への転職も積極的に狙っていきましょう。
3/3|プロジェクトマネージャー等の上流工程の職種に転職
年収データとして、上流工程や管理職の方が給料が高いです。自分のキャリアプランと相談して、選択肢としてあり得るなら検討してみましょう。参考までに、「上流工程」「SE(システムエンジニア)等の一般的なエンジニア」「保守・テスターなどのサポート系」この3つに分けた平均年収が下記の通りです。
上流工程・管理職
- プロジェクトマネジャー:691万円
- ITコンサルタント:602万円
- IT戦略/システム企画:600万円
- セキュリティコンサルタント/アナリスト:597万円
一般的なエンジニア職
- システム開発/運用:472万円
- スマホアプリ/ネイティブアプリ系エンジニア:461万円
- ネットワークエンジニア:446万円
- Webサービスエンジニア:424万円
- SE(システムエンジニア)/プログラマ:422万円
サポート系のエンジニア
- 運用/監視/保守:373万円
- デバッグ/テスター:372万円
- ヘルプデスク:345万円
参照:平均年収ランキング(職種・職業別の平均年収/生涯賃金)【最新版】|Doda
それぞれの平均年収を見るに、やはり上流工程やコンサル系の年収が高いので、年収アップが転職軸として重要であれば積極的にこれらのポジションを狙っていきましょう。
人事と現役が実務経験2年のエンジニアによくある疑問に応えます!
Q1. 実務経験2年で退職をする人の印象は?
「早期退職」ほどネガティブなイメージは持ちません。ただ企業単位で考えると「"弊社でも" 2年退職されるのは困る」と考えられるケースもあります。
というのも、2年の在籍だと採用や教育費にかけたコストを回収できるかどうか...企業によって異なってきます。回収が確実じゃないからこそ、2年で転職を繰り返している人だと採用のリスクを不安視されることはあります。
とは言え、2年も働いていれば技術的にも仕事的にもチャレンジしたい事が出てきたり、色々悩みも出るでしょうし、真面目な理由があって転職したいのだろうな...といった感じで悪い印象は持ちませんよ。
ありがとうございます!2年以内で転職を繰り返していると不安がられるけど、基本的にはネガティブなイメージは持たないんですね...ちょっと安心できました。
Q2. 実務経験2年だと書類選考で落とされる可能性はある?
現役としては実務経験が1年だと、まだ経験が浅くて書類選考の段階で落とされるかな...と不安になったこともあります。その辺り、人事目線的にどう思いますか?
結論、落としてしまう企業もあります。こればかりは、あなたは何も悪くなく「仕方のない事」と判断するのが良いです。
というのも、企業は採用方針を固める際に採用候補者の条件設定をしていて、その条件を満たしているかどうか書類選考の段階でふるいに掛けています(これをスクリーニングと言います)。もちろん実務経験数もその条件のひとつで、企業によっては3年以上の経験がある人を中途採用する方針を立てているところもあるので、こればかりはどうしようもありません。
いくら自分の市場価値は高いと客観的に判断できても、スクリーニングで落とされるのは仕方がないことです。
Q3. 実務経験1年〜2年でフリーランスになれる?
冨岡さんは事情があってフリーランスになったご経験もあるとのことですが、実務経験1年〜2年でフリーランスになるのは現実的だと思いますか?
結論、フリーランスにはなれます。が、メリットが少ないので無理にフリーランスにならなくても良い。と考えています。
この話はひとつの記事になるくらいのボリュームなので簡潔にしますが、フリーランスには下記のような魅力は確かにあると思います。
・チャレンジングな案件や難易度の高い言語にトライしやすい
・自分で案件を決められる
・契約のサイクルが短いので多様な経験ができる
一方で、下記のリスクやデメリットが重くのし掛かってきます。
・個人の派遣業をしている感覚になる仕事が多く、ホワイトな優良SES企業で良いのでは?と思う
・案件継続できない不安や閑散期の不安など、経済的不安が伴う
・エージェントを使うにしても営業活動を意識しないといけない
とまぁ本当に色々辛さがあるので...少なくとも実務経験1年〜2年のフェーズで無理してなるものじゃないです、フリーランスは。答えを出す前に、「正社員じゃダメなのか?」と問いかけてみてください。
もっと疑問を解消したい人・他の情報も知りたい人は【転職エージェント】でプロに相談しよう
まだ他にも疑問点があったり、知りたい情報がある人は、転職エージェントを使ってプロのキャリアアドバイザーに悩みを投げかけましょう。
エージェントを使えば、求人紹介や資料作成・面接のサポートなど、あなたの転職を無料でサポートしてくれるので、正直、実務経験1年で年収アップ・スキルアップが可能な優良企業をプロに紹介してもらうのが手っ取り早いです。
エンジニア実務経験2年の転職を有利に立ち回るコツ
1/4|アピールできる材料を整理しておく
給料・年収アップを目指すためにも、下記のアピール材料がないか、現状整理しておきましょう。
- アピールできるスキルを把握(プログラミング言語、環境構築、フレームワーク、設計力など)
- 職務経歴書に載せられる成果を整理
- リーダー経験やコミュニケーション力
これらがなぜ重要なのかは「IT企業の給与決定で何が重視されるか」という経済産業省が調査したデータを見れば分かります。
ITスキルレベルは当然のこと、仕事での成果やコミュニケーション能力がやはり重要視されます。このような点で現職でアピールできることがないか今一度整理して
2/4|社内SE・自社開発・SES・SIer・受託開発など業態を調査すること
今エンジニア実務経験1年なのであれば、エンジニア系のIT企業の様々な業態の理解は追いついていない人も多いかと思います。
SESからSIerに転職できるか、自社開発ってレベル高いと聞くけど実際どうなのか、社内SEってSESよりも環境良かったりするのか...上げれば沢山の疑問が出てくるはず。
この辺りに関しても、この後すぐ説明している転職エージェントでプロから学んだ方が失敗も後悔もしません。今の自分と今後のキャリアプランに似合った業態と企業を見極めないといけないので、プロへの相談を怠らず。
3/4|エンジニア面接の対策を徹底する
どれだけ現職でアピールできる事が多くても、採用面接でうまく立ち回れないと採用を勝ち取れません。少なくとも下記のような採用面接でよく尋ねられる質問の対策はしておきましょう。
- どんなエンジニアになりたいか
- 「設計の経験は?」等の技術質問
- 将来のキャリアプランはどのようにお考えですか?
- 入社後にしたいことやチャレンジしたいことは?
上記のような面接対策をしたい人は、下記で人事や現役の視点を交えた対策記事をまとめているので、参考にしてみください。
4/4|【転職エージェントは必須】転職は情報戦であることを忘れずに
転職エージェントとは、プロのキャリアアドバイザーが、求人紹介や資料作成・面接のサポートなど、あなたの転職を徹底サポートしてくれる無料サービスで、筆者もこれまで何度も使っています。
転職は情報戦でもあります。
・自分の実績はもっと別の会社の方が発揮できたのに...
・入社したら思っていた仕事と全然違った
・妥当なエントリー数が分からず全然内定が決まらない
・携わった実績の中でどれを応募先企業にアピールすべきか...
・自社開発?SIer?どんな業態が良いのか、そもそも詳しくない...
このような悩みや後悔をする人が多くいる中、転職エージェントでキャリアアドバイザーに頼れば事前の対策ができます。どの企業がなぜ良いのか、プロから情報をもらうようにしましょう。
実務経験2年目で転職可能な企業と活かせる実績をプロに判断してもらおう
プロのキャリアアドバイザーに、実務経験1年で年収アップ・スキルアップが可能な優良企業を紹介してもらうのが得策です。下記のどの状況の人でもメリットがあるので、まだ使っていない人は無料相談から進めていきましょう。
シチュエーション | メリット |
---|---|
既に採用面接を控えている人 | 模擬面接や面接企業の分析をしてくれる |
応募先企業の固有の 質問を気にしている人 | 応募先企業の頻出質問や気にしていることなど、企業ごとの対策をしてくれる |
応募企業がまだ少ない人 | 応募したい企業をヒアリングしてくれ、ベストな求人をピックアップしてくれる |
転職に自信がない人 | 転職理由や希望条件をヒアリングの上、ベストな応募企業や採用面接のコツをレクチャーしてくれる |
IT・Web業界のエンジニア転職に強いエージェントがおすすめ。筆者や同僚も実際に活用していたエージェントをまとめておきます。