初めまして!最近ずっと気になっていた企業の内定を勝ち取った「つかさ」です。シリーズものとして「人事の本音」を綴った記事を投稿しているのですが...
今回は「スキルアップできない・実務経験が積めない」という理由で転職する人の印象について、約20年人事として働かれている「にこはら」さんに本音で聞いて見ました。
WRITER
にこはら|現役人事
人事フリーランスの卵 / 現役人事
現役の人事として活躍中。約20年に渡って培ってきた採用管理や組織コンサル、人事総務・労務管理などの多様な経験を元に、今もキャリアアップを続けています。記事の執筆では、これまでの会社メンバーと共に歩んできた人事制度の構築や新卒採用の経験、自分自身が転職・キャリアアップしてきた経験などを活かして、これから新たなキャリアを歩む人の支えになるコンテンツを発信しています。
AID-TRUTHは、バックエンドエンジニアやディレクター、人事で活躍する人など、現役で活躍する人たちが実体験を活かしてコンテンツ発信をしています。
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【概要】転職理由が「スキルアップできない・実務経験が積めない」はアリ?なし?
結論を先に伝えると、スキルアップ・実務経験を積めない環境を求める為に転職活動をしている事はアリです。「教えてもらえないなんて言って他力本願な人だなぁ」とネガティブに思われそうで言いづらいと思うかもしれませんが、そんな事はありません。もちろんある程度自分で動かなければいけない場面もありますが、環境面や役割でどうしようもない部分もある事、面接官は百も承知です。下記3点で解説させてください。
- 物事を自責で捉えられる人はプラス、他責で捉えてしまう人はマイナス
- 誰がどう考えたって他責にしかできないような理不尽でも自責に変える
- 転職理由の具体的な回答例の捻出方法
物事を自責で捉えられる人はプラス、他責で捉えてしまう人はマイナス
物事を自責・他責で捉えるとはどういうことか?例えば、営業職の自責で捉えている人・他責で捉えてしまっている人の例を挙げると、下記のとおりです。
他責で捉えてしまっている人
不景気で自社の商品が売れない、ボーナスが少ない等「ない、ない、ない」と否定的な言葉で言い切るだけだと全面的に他責な人だなとジャッジしちゃいます。
自責で捉えている人
トレンドの変化で全社で最盛期の7割程の売上になり、自身の売上も目標の7割程の着地しか見込めない状況だったが、他製品の追加提案を実施したり新規開拓をしたりなど、既存顧客・製品に依存しない方向で動き、最終的に売上目標の9.5割を達成を果たした。しかし会社全体では赤字が続き、賞与の原資が稼げず、以前は月給の3ヶ月ほど貰っていたボーナスも2期連続でカットになってしまった。仕事にはやりがいを感じているが、生活や将来のキャリアを考えると続けていく事が難しいと感じている。
自責でも他責でも「商品が売れない、ボーナスが少ない」と理由が同じだったとしても、自分事として状況を分析し、自分にできる事を最大限実施したと話す事で、立派なアピールに繋がります。
まとめ
面接では物事を自責で捉えられるかを見極めます。
仕事をしていると様々な要因が重なり合い、到底想定できない事が発生するケースが多いです。言ってみれば「これだ!」という正解がないのです。正解がないものを様々な情報を仕入れて最適解を見出して、目的・目標を達成する事を仕事では求められます。
正解がない中でも、物事を自責で捉える事ができれば、想定できない事でも何とかしようと試行錯誤して、最適解を求めて行動できるのでビジネスマンとして欲しい人材となります。
逆に想定外の事態が起きた場合に「周りが悪い」「環境・世の中が悪い」と他責に物事を捉えてしまうと、想定外を乗り切る仕事ができないというマイナス評価になり、面接をクリアする事は困難になります。
つまり何が言いたいかというと現職でスキルアップや実務経験が不可能であったという事実は勿論あるけれども、そんな中でも自責でどう動いてきたかをしっかりと語れるかが、大切になります。
【注意ポイント】募集要項のスキル・経験や志望理由の準備に専念しがち
少し冷たい言い方になりますが、スキルアップできないどうしようもない環境・理由というのは、本人の中だけの主観に過ぎないのです。
中には100人が聞いて100人とも「それはどう考えたって環境が悪いよ!」と回答できるものであっても、101人目に「実はこんな解決方法できるんじゃない?」と気づく人がいる可能性もあります。なので物事に絶対はないという事を認識しておきましょう。
なぜこんなにも絶対はないという事を口酸っぱく言うかというと、上記のように100人に聞けば100正しいと回答する物事でも、断定して語ると他責に聞こえてしまう為です
以前、上司からひどいパワハラを受けてやむなく転職理由をしている方の面接をしました。内容詳細を聞くと、本当にひどいパワハラで周りも助けてくれない状況という事がわかりました。
内容は同情できるものでしたが、本人は話している内に思い出してきて気持ちが高ぶってしまったのか、上司の批判だけでなく会社の不満、その他関係ない人の話までする始末でした。あくまで面接をしに来ている場です。「なんて可哀そう。今まで辛い思いをして来られたので、面接合格にしましょう」とはなりません。
なので理不尽への不満は一旦置いておいて、そんな状況でも「環境になった一因は自分にもある。少なくとも自分だけでどうにかなる事はやってみよう」という自責にマインドシフトして語る必要があります。
転職理由の具体的な回答例の捻出方法
長々と自責について話してしまいましたが、スキルアップできない環境がない事を具体的にどのように伝えれば良い例になるのか。以下3つの手順で準備します。
- スキルアップできない環境の原因を箇条書きする
- 原因を「自分が解決できる為に動いた事」と「自分にはどうしようもない事」にわける
- 自分が解決できる事動いた事をエピソードで語れるようにしておく
先ほどから説明している通り、環境がどうしようもなかったとしても、自責で捉えて行動する事はあるはずです。
具体的には以下のケース等です。
- システムエンジニアとして入社した
- 入社のタイミングでインフラエンジニアの退職者が出てしまった
- 3ヶ月の期間限定で役割を担う事になったが、1年経っても会社は欠員補充の採用ができなかった
- 結果、システムエンジニアとして働く事が出来なかった
この理由だけ説明されても、充分正当な転職理由ですが、ここに自責でできる事を動いたというエピソードを加えるだけで大きく印象が異なります。
人事の方が採用に苦戦していた事は知っていたので、私も知人のインフラエンジニアに入社してみないかと声をかけたり、欠員補充に何とか協力したいと自分なりに努力してみましたが、結果採用には至りませんでした。今の仕事自体、やってみると面白い事もあり、続けようと思えば続ける事も出来ますが、私自身やはりエンジニアとしてのキャリアをしっかり積みたいという思いがある為、転職するという決意をしました。
いかがでしょうか?
「会社から希望していない仕事に配属されたので、キャリアが積めないので転職する事を決めました」と伝えるより、よほど頼りになる気がしませんか?きちんと自責に捉えて、前向きな気持ちを伝える事で、良い面接結果を引き寄せる要因にできます。
まとめ
- 正解がない中でも自責で物事を捉えられて、最適解を導こうとする姿勢が大切
- 100%他責でどうしようもない事でも、面接でそのまま話す事は合格には繋がらない
- 例えスキルアップできない環境だったとしても、自責でどれだけ動いたかを語れるかで、面接の合否がわかれる。
自分自身はやる気が合って成長したいという気持ちがあったのに、周りの環境がそれを求めていない。味方がいない状況は、非常に辛いと思います。
ですが、そんな中でも無理やりにでも自己責任で、できる事を見つけて対策しようとする姿勢は、これから他の会社に行っても重宝される貴重なマインドです。今が踏ん張りどころだと思って、面接対策していきましょう。応援してます!
もし採用面接を控えていたり、これから転職活動をしようと考えている人は、自分の回答をできるだけ印象よく面接官に伝えるために、プロのキャリアアドバイザーに模擬面接をしてもらいましょう。下記のどの状況の人でもメリットがありますよ。
シチュエーション | メリット |
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既に採用面接を控えている人 | 模擬面接や面接企業の分析をしてくれる |
応募先企業の固有の 質問を気にしている人 | 応募先企業の頻出質問や気にしていることなど、企業ごとの対策をしてくれる |
応募企業がまだ少ない人 | 応募したい企業をヒアリングしてくれ、ベストな求人をピックアップしてくれる |
転職に自信がない人 | 転職理由や希望条件をヒアリングの上、ベストな応募企業や採用面接のコツをレクチャーしてくれる |
下記にまとめた知名度の高い信頼できる転職エージェントを使えば、プロのキャリアアドバイザーが専任で上記のようなサポートをしてくれます。