エンジニア2年目の人、またはもうすぐ2年目になる人は、転職を検討する頃だと思います。ぼくは現役エンジニアなんですが、これまで数回の転職を経験してきて下記のような不安や悩みを持ってきました。
- 流石に今の仕事のままじゃスキルアップしないのでは...
- 運用保守やテスターなどエンジニアとは言えない業務が多くてこの先が不安...
- 頑張ってはいるが、なかなか年収上がらん!評価してくれない
まぁ人によると思いますが、エンジニア経験2年くらいになると「このまま今の会社を続けて将来大丈夫か?」という不安が出てくるものです。それで転職するにしても...
- 実務経験2年のエンジニアって転職成功できるのか...?
- できたとてメリットはあるのか
- そもそもITエンジニア2年目の人ってどの程度の年収?
- 即戦力採用?ポテンシャル採用?どんな風に採用してもらえるのか
この辺りは不安や課題に感じると思います。
でも、ぼく自身が実際に転職して年収も上がって希望の働き方もできたし、その当時の知り合いも成功した人何人かいたので、2年目は十分転職できる年代かと見ています。
そこでこの記事では、実体験を元にした転職のコツや、失敗しないために避けるべきことなどを整理しておきました。
現役の人事に尋ねたエンジニア実務経験2年目の市場価値とかも載せておくので、ご参考にください...!
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Tsukasa|現役エンジニア
Frontend Engineer / Web Creator / SEO Writer / Web Media Manager
現役のフロントエンドエンジニアで、「在庫管理アプリのフロントエンドリード」「プロ野球球団公式サイトの運用保守リーダー」「ECサイト実装」「Webサイト・LP実装」などの実績を積みながら、現在もWebクリエイティブ会社で活躍中。未経験からフロントエンドエンジニアに転職成功した実体験も活かして、当メディアを運営させていただいております。
AID-TRUTHは、バックエンドエンジニアやディレクター、人事で活躍する人など、現役で活躍する人たちが実体験を活かしてコンテンツ発信をしています。
実際にエンジニア2年目で転職してみてどうだったか?
ぼくはフロントエンドエンジニアだったんですが、社会人2.5年目の当時、年収は320万円でした。昇給の温度感や業務内容は下記でした。
転職前
- 年収320万円
- 毎年決まった金額だけ昇給
- 8割は運用保守案件、2割ほどスポットの新規開発案件
- このままでは年収や実績に大きな変化は見込めなかった
- フル出社、時間固定
そして転職活動に踏み切って、初めての転職だったのですが無事に転職成功はできて、下記のように変化がありました。
転職後
- 年収は390万円
- 新規開発の案件が7割くらい
- 一部はテンプレ仕様、一部は詳細設計から入れる案件
- 詳細設計から入れる案件はモダン環境など何使ってもOK
- 週3リモート
「年収」「参画案件の幅広さ」は十分に解決できる結果となり、実際にこの職場で得た経験は後々の転職でも実績として十分に話せたし...自分としては転職成功した感覚でした...!
ちなみに、エントリー数とか選考状況とかは下記の感じでした。
- 40社:エントリー
- 10社:書類選考通過
- 6社:1次面接通過
- 3社:最終面接通過
転職エージェントに登録して色々と相談した結果、僕は初めての転職だったので数うち当たった方が良いとアドバイス貰ったので、40社はエントリーしました。
様々な業界も受けたし、フロントエンドエンジニア以外の職種も受けたし...とにかくまずは色々と挑戦して見ました。ちなみに、エントリー通過率は30%程らしいので、最終的に3社内定もらいたいなら、30社 〜 40社エントリーするのがおすすめです。
最後の見出しで解説している転職エージェントの活用も忘れずに...!
ひとまず、エンジニア2年目であっても、立ち回り次第で十分に成功ができると、実体験を元に確信は得られました。
エンジニア2年目で転職は可能!実体験と客観的な情報でその理由をまとめる
実体験としては「僕でも転職成功できたから!」というのが正直のところです。文系出身で対して特別な人間でもないので...月次人材な僕でも全然、成功できましたよ。という安心感は与えておきたいです!笑
あとは、その後エンジニアとして働く中で色々と客観的に分かってきた情報もあるので、解説していきますね。
【理由①】エンジニアは特に転職が激しく、企業側はマッチする人材を常に求めている
「エンジニアは特に転職の多い職種だ」と聞いたことはあるでしょうか?それを裏付けるように、Doda調査の転職求人倍率を見てみると、エンジニアはトップクラスに求人が多いことが分かります。
求人倍率とは、求職者1人に対して何件の求人があるのかを示す数値のことなので、エンジニアの求人がいかに多いかが分かります。エンジニアは他職種と比べて「転職が当たり前」な職種であり、転職がすごく難しいという訳じゃありません。
【理由②】エンジニア2年目の第二新卒はポテンシャルに満ちていて魅力的
これは当時の人事の人が言っていた考えを引用しちゃいますが、第二新卒って下記の魅力があるみたいです。
- 最低限、数年間はエンジニアとして従事したという安心感がある
- その上、技術力はまだまだこれからだ...という成長意欲がある
- さらに採用費用も中途採用ほど大きくはない
この3点は第二新卒が最も魅力的なポイントみたいで、確かに、自分が転職で面接した際もこれに伴った質問は多かったなと思います🤔
ひとまずエンジニア実務経験2年目という人材の市場価値は十分に高いんです。図にのっちゃいけませんが、その価値の高さは自覚の上、活用しましょう。
2年目でエンジニア転職はすべき?年収や市場価値、メリットは?
【年収アップは可能】例えばSEなら約350万~400万
SEを例に挙げると、統計データを見ると実務経験2年目のエンジニアの平均的な年収は350万~400万ほどです。
経験年数(全年齢合計) | 平均年収 | 手取り年収 | 手取り月収 |
---|---|---|---|
0年 | 328万円 | 260万円 | 22万円 |
1〜4年 | 411万円 | 325万円 | 27万円 |
5〜9年 | 493万円 | 385万円 | 32万円 |
10〜14年 | 545万円 | 424万円 | 36万円 |
15年以上 | 643万円 | 494万円 | 41万円 |
※ 手取りは、会社勤め・扶養親族なし・給与所得控除、基礎控除、社会保険料控除のみ考慮して計算されています
あくまで参考ですが、今の自分の年収と見比べてみて「その平均年収に到達できるだけでも年収少しは上がりそう...」という温度感ではないでしょうか?
年収400万円も十分に狙えるので、この市場価値的に年収アップを目指して転職に踏み切っても良いと思いますよ。
実務経験1, 2年目のエンジニアの市場価値について詳しく知りたい人は、下記もご参考にください!
未経験の仕事やスキルアップを経て市場価値を上げられる
ポテンシャルで採用してもらう前提なら、職種を変えてもOKです。変えるというかランクアップのイメージ。例えば...
- 【社内SE】から「アプリケーションエンジニア、開発エンジニア」
- 【インフラエンジニア】から「ネットワークエンジニア、セキュリティエンジニア」
- 【フロントエンドエンジニア】から「フルスタックエンジニア」
といったように、より専門性の高い職種やより高難度の職種へステップアップをするという考え方。
職種こそ「SE」だけどぶっちゃけ雑務的な業務が多かったり、インフラエンジニアと言えど運用保守ばかりだったり...と悩んでいる人も多いはず。
エンジニア実務経験2年目は、思い切って別の職種に変えるのにちょうど良い時期でもあるので、未経験の仕事にチャレンジして市場価値を上げられるメリットがあります。
環境を変えることで個人の様々な悩みや課題を解決できる
立ち回り次第では、この転職の機会に、現状の職場で合わないことや不満なことも改善できてしまう点もメリット。
例えば...
- 職場の雰囲気が殺伐としていて辛い...
- フル出社は流石にきつい...身体に合わない
- あまりに残業時間が多く身体に負担が掛かる
などなど、年収や技術以外の課題も転職の軸にすることで、同時に解決することもできます。こういった改善も、「まだ2年目だから初めは適性の職場なんて分からないよな...」と採用担当者も感じてくれるので、自然に受け取ってもらいやすいですよ。
経験者が語る!2年目でエンジニア転職する際の注意点
【注意①】即戦力採用よりもポテンシャル採用を狙うべし
即戦力採用とは、教育期間がなくても入社後すぐに戦力になってくれる前提の採用のこと。ポテンシャル採用とは、入社後にしっかり時間をかけて教育をする前提の採用のこと。
で、即戦力採用はお勧めしません。ぼくも経験済みですが、即戦力採用だとあまり教育はしてもらえないし、もう仕事はできる前提だからこそ、それ以上の昇給は狙いづらいです。
つまり、ポテンシャル採用と比べると、年収もスキルも成長しづらくなってしまいがちなんです。
ぼくは今社会人6年目、エンジニア歴4年目くらいですが、これまで見てきた人達を元に考えると、エンジニア4, 5年目くらいでバリバリ即戦力になれば良いと思ってます。
1〜3年くらいなら、せっかくポテンシャルと見てもらえ、成長できる機会が沢山あるのに、そのチャンスを逃すのがあまりに勿体無い。それ以上の年次になると即戦力前提の扱いとなります。
2年目という伸び代のある内は、焦らずポテンシャル前提で転職活動しましょう。
【注意②】目先の年収アップよりも入社後の伸び代を重視
例えば下記2つの選択肢があったとします。
- 即戦力採用・420万円・昇給についてはよく分からない
- ポテンシャル採用・390万円・昇給は十分見込める
これ実体験ですが、2つ目を選択すべきです。
一度経験したことあるのですが、そこそこ良い年収でオファーしてもらったけど、入社してみると年間数万円しか昇給しない事実に気づいて絶望...ということもあります。
目先の年収アップよりも、入社後の年収の伸び代を重視して、やはりポテンシャル採用を狙うべきでしょう。
あとで解説しますが、このような昇給や評価基準、自分のことを現時点でどの程度評価してもらえているか...といった企業側の事情を聞きながら転職を進めたい人は、先に転職エージェントに登録しておくと良いです。
【注意③】管理職系よりも引き続き専門職として技術を伸ばすべし
例えば、実務経験2年目のエンジニアからプロジェクトマネージャーに転職したとします。確かにその時は年収がすごく上がるはずです。でも、どうせPMになるならもっと何年もエンジニアとしてキャリアを積んでからジョブチェンジした方が、もっと年収が上がるはずです。
これも同じ考えですが、目先の年収アップよりも、長期的なキャリアプランを元に判断しましょう。5年先や10年先を考えると、2年目という節目はまだ同じ職種でキャリアアップすべきだと、ぼくは思います。
筆者の転職の流れと成功のコツを書き留めておきます
ぼくが実際に転職活動をした流れは下記の通りです!
- なぜ転職すべきか?転職理由や希望条件を整理
- 先に転職エージェントに登録
- キャリアアドバイザーの初回面談でアドバイスをもらう
- どんな企業に転職すべきか再整理
- ポートフォリオ制作・自己研鑽・個人開発
- 職務経歴書の制作(エージェント添削付き)
- エントリー、面接、内定
できるだけ細切れにしましたが、ポイントは①〜③のフェーズ。初めに考えを整理して、そして先に転職エージェントに登録、早めにキャリアアドバイザーにアドバイスを貰うのが良いです。
それぞれ具体的に見ていきます!
コツ1/3|なぜ転職すべきか?転職理由や希望条件を整理
特に転職理由は、採用面接で不合格になりかねないので、初めにしっかりと自分で固めておくべきです。それに転職エージェントに登録後の初回面談でも、「なぜ転職したいのか?」は自分の口で話せた方がより良いサポートを受けられます。
ぼくの失敗談ですが、一番受かりたかった企業の最終面接で社長に質問責めされて、「その転職理由なら〇〇の企業がマッチしているのでは?」とアドバイス&不合格されたことがあります...。だから本当に重要。
ちなみに、ぼくは下記のように転職理由を整理していました。
現職の何が不満か?
まずは現状の変えるべき課題を整理します。
- 年収が低い(320万円)
- 昇給が遅い(年間12万アップ固定)
- 保守運用が多く実績を積む機会が少ない
- ejsを使った保守などレガシーな環境が多い
- 会社や先輩が教育に積極的じゃない(現状維持感)
- 設計・要件定義に携わる機会が無く単純作業になりがち
- フル出社はできれば避けたい
どうなりたい?何ができる?どうあるべき?【Will-Can-Must】
次に現状を変えるために、Will(実現したいこと)Can(活かせる強み)Must(すべきこと)を整理します。いわゆる【Will Can Must】というキャリアプランのフレームワークですね。
転職エージェントで相談乗ってもらいながらもっと詰めましたが...僕の場合、こんな感じでした。
Will
- 年収は400万希望
- ポテンシャル採用でもっと昇給したい
- できればリモート増やしたい
Can
- 運用保守チームのリーダー経験
- 保守環境のビルド時間軽減をした実績
- スポットでECサイト開発をした実績
Must
- 設計・要件定義に携わるべき
- 活用言語や環境を自分達で考える機会を作るべき
- 既存保守だけじゃなく積極的に新規案件にトライすべき
もちろん、初っ端からこんな綺麗に整理できないと思うので、この辺りで大切なのが「先に転職エージェントに登録しておく」ことです。「現職の何が不満か?」だけでも考えられたら、早めにプロに相談しちゃった方スムーズに転職活動できます。
コツ2/3|先に転職エージェントに登録
後々教えてもらったのですが「転職は情報戦」と聞かされていました。その通りだと僕も感じて、転職エージェント使ってたら、やっぱり下記の要素が心強かったです。
- どの程度の希望年収・条件なら受かりやすいか
- どのくらいエントリーすべきか
- 内定スケジュールを合わせるための管理
- 転職理由や面接練習
- 1次面接で「採用担当者が何に不安を感じていて何に期待しているか」の調査
- 個人開発やポートフォリオのレベル感
この辺りを転職エージェントがしっかりカバーしてくれるので、なるべく早い段階で登録しておいた方が恩恵を受けやすかったです。有名どころなら下記の3つで、僕は試しに2つは登録しておきました。
それで、登録後に早めに初回面談でキャリアアドイザーの今後の方向性だけでも固めておきましょう。
コツ3/3|キャリアアドバイザーの初回面談でアドバイスをもらう
転職エージェントに登録すると、初めに1時間〜2時間ほど「初回面談」を実施してもらえます。そこで、自分の転職理由や現職の不満、希望条件とかをラフに話しつつシェアする流れになります。
この段階で客観的に色々とアドバイスしてもらうことで、「これくらい希望出しても良いのか...」とか「転職理由、これだと矛盾してるな...」「こういう職場で働くべきなのか...」とか気づき得られたり、軌道修正できます。
特に、実際の求人を見せてもらいながら、今後の方向性を固められるのがめっちゃ心強かったです。転職エージェントに登録したら、初回面談まで早めに済ませておくのがおすすめ。