キャリアビジョンって、そもそもどういう意味なのか分からない人も多いと思います。キャリアパスやキャリアプランは、エンジニア面接でも頻出だから対策はしっかりしてるつもりだけど、キャリアビジョンってどう考えればいいか難しいはず。
この記事では、下記の点に絞って解説していきます。
- キャリアビジョンの意味とキャリアパス・キャリアプランとの違いを解説
- キャリアビジョンの考え方と回答例文
- その他に対策必須な面接質問を現役が解説
キャリアビジョンはキャリアパスと比べると聞かれる頻度は少なめですが、自分の個性をアピールできる重要な質問でもあります。他に対策すべき質問もあるので、この記事を参考に対策してみてください...!
WRITER
Tsukasa|現役エンジニア
Frontend Engineer / Web Creator / SEO Writer / Web Media Manager
現役のフロントエンドエンジニアで、「在庫管理アプリのフロントエンドリード」「プロ野球球団公式サイトの運用保守リーダー」「ECサイト実装」「Webサイト・LP実装」などの実績を積みながら、現在もWebクリエイティブ会社で活躍中。未経験からフロントエンドエンジニアに転職成功した実体験も活かして、当メディアを運営させていただいております。
AID-TRUTHは、バックエンドエンジニアやディレクター、人事で活躍する人など、現役で活躍する人たちが実体験を活かしてコンテンツ発信をしています。
INDEX
エンジニアのキャリアビジョンとは?キャリアパス、キャリアプランとの違い
キャリアビジョンとは?
キャリアビジョンとは、仕事や働き方に関して自分がめざす「将来像」であり、「最終的なゴール」です。自分の能力を活かして、企業や社会にどのように貢献していきたいかが伝わるようにまとめるとよいでしょう。例えば、以下のような内容です。
- 顔認証機能やAIを活用した、人々の生活を便利にする新規システムを開発したい
- クリエイティブ系のエンジニアとして、ユーザーをワクワクさせるアプリやサイトを制作したい
- インフラだけでなく、セキュリティの技術も強固にして一企業の技術責任者レベルになりたい
ポイントとしては、ここで自分の願望のみに終始してしまうと子供っぽい印象になる可能性がありますので、「企業や社会にとって有益になること」を明確に盛り込むことが大切です。
キャリアパス、キャリアプランとの違いは?
キャリアビジョン → キャリアパス → キャリアプランの順で、内容の解像度が高くなります。
キャリアパスとは
キャリアパスとは、ある職種において経験値を重ねていくルートのことを指します。または、一企業の中で、ある役職に就くために経由するルートのことを示す場合もあります。総じてキャリアパスとは、「キャリアの積み重ね方」を意味する言葉です。
自分がめざす将来像であるキャリアビジョンに対し、キャリアパスは、「その将来像に進むための具体的な道筋」と言えます。キャリアの積み重ね方は、一般的な王道ルートもあれば、人によっては変則的なルートになるケースもあり、一つとは限りません。
キャリアプランとは
キャリアプランとは、キャリアビジョンを実現するための、3年後・5年後・10年後といった中長期の具体的なキャリアの「行動計画」のことを指します。
例えば、「3年後までに◯◯の資格を取る」「5年後までに3つのプロジェクトでリーダーを経験する」といった内容です。
キャリアビジョン、キャリアパス、キャリアプランはこのように明確に異なりますので、注意して対策をしていきましょう。
エンジニアはキャリアビジョンを考えた方が有利に採用を立ち回れる
【理由①】エンジニアのキャリアパスやプランがわからない人も「軸」を明確にできる
キャリアパスやプランを決めるためには、まずは自分の優先事項、つまり「軸」を明確にする必要があります。ここで言う「軸」は「キャリアビジョン」と同義と捉えてください。
キャリアビジョンを定めず、いきなりキャリアパスやプランから作り始めようとすることは、最終ゴールの方向がわからないまま、あっちこっち走り回ってしまうようなものです。
「自分は何を目指しているのか」を掴むことさえできれば、最終ゴールまでの道筋を的確にリサーチし、中小の目標を設定してスケジュールを引くことができますので、自ずとキャリアプランが定まっていきます。
最初に自分が成し遂げたい大きなビジョンを描くことで、3年後・5年後までに何をすべきかを逆算して、プランニングしていくことができるのです。
【理由②】採用側に企業と自分のマッチ度を判断してもらいやすい
自分が成し遂げたいキャリアビジョンを描けていれば、キャリアパスやキャリアプランも明確になるため、企業が求めている人材とマッチしているかが判断しやすくなります。
例えば、採用側が「社内のエンジニアをリードする存在」を求めていたと仮定します。一方で、自分は「将来ゼネラリストとして活躍する」というキャリアビジョンを持ち、「今は製品開発プランナーを経験し、3年後にはデザインの領域も経験する」というキャリアプランを定めていた場合、社内エンジニアのリーダーを求めている採用側の意向とはマッチしないことがわかります。
このようにキャリアビジョンを明確にすることで、採用側にとっても自分にとっても、誤ったマッチングが行われにくくなるというメリットがあります。
【理由③】エンジニアとして働いていく意気込みや入社の本気度を示しやすい
キャリアビジョンを描く際、自分が「そうなりたい」と思ったきっかけが、必ずご自身の中にあるはずです。それこそが、自分がエンジニア職を目指す「背景」であり、エンジニア職を希望する「職種の志望動機」となります。
「職種の志望動機」まで明確にした上でキャリアビジョンを描き、キャリアプランを組み立てれば、独自性の高い自分だけのストーリーができますので、エンジニアとして働いていく意気込みや入社の本気度が採用側に伝わりやすくなります。具体的でオリジナリティのある内容は、採用側の印象に残りやすいので、他の候補者と差別化することができます。
【理由④】面接時にどんな質問をされても一貫した回答ができる
お互いが初対面、かつ短い面接時間の中で、採用側が候補者の本質を見抜くのはなかなか難しいものです。このような限られた条件下で採用側が注視しているポイントの一つは、候補者の回答の「一貫性」です。
キャリアプランについて質問された際に、一貫性がなくブレた回答が目立つようであれば、自己分析の甘さや、意欲の低さを疑われてしまいかねません。
ですが、しっかりと自己分析してキャリアビジョンを描き、キャリアパスを入念にリサーチした上で精度の高いキャリアプランを組み立てていれば、どんな角度からの質問にも一貫性のある回答ができるようになります。本気度を示せるだけでなく、論理的思考力や計画性の高さもアピールできることでしょう。
現役解説!エンジニアのキャリアビジョンの考え方と例文
考え方①:キャリアパス・キャリアプランを掛け合わせた回答
自分の目指す職種のキャリアパスを基準に考えて、ビジョンを伝えると同時にキャリアプランにも触れる回答が、考え方として簡単な例です。例えば、SE(システムエンジニア)であれば、下記のように回答してみましょう。
【キャリアビジョンの結論】
SE(システムエンジニア)への就職を想定
私はクライアントの課題を解決したい思いがあり、上流工程で的確な要件定義をして、開発の道筋を示せるSE(システムエンジニア)になりたいと考えています。
【キャリアプランに繋げた回答】
そのビジョンを実現するためにも、まずは御社の案件を熟せるレベルに開発スキルを引き上げていき、十分にスキルが身に付いたら、御社で活躍する先輩方から設計や要件定義を学んでいき、最終的にはクライアントの前に立って課題解決をしていきたいと考えています。
考え方のポイント
考え方として、SE(システムエンジニア)の王道のキャリアパスを理解しておきましょう。SEであれば、最終的に要件定義やシステム系コンサルへステップアップするキャリアパスは想像につくパターンなので、そういった王道なキャリアパスを起点にビジョンを考えると、考えやすいですよ。
考え方②:自分の将来像や夢をありのまま伝える回答
もし、あなたが目指すエンジニア職に、元々抱いている将来像や夢があるなら、その想いをありのまま伝えてみましょう。キャリアパスを起点に考える1つ目はありきたりな回答になるリスクがありますが、自分の純粋な理想を伝えられると、面接官の印象に残すことができます。
【結論】
SE(システムエンジニア)への就職を想定
私は、画像生成AIのようなクリエイターの成果物を加速させる新規システムを開発したいビジョンを持っています。
【経緯など】
自分の友人が、宇宙解説系のYouTuberをしているのですが、投稿頻度を上げないといけない中、短時間でハイクオリティなビジュアルを生成できる画像生成AIには、非常に助けられているとよく話を聞いています。
そういった話を聞いている時に、SEとしてキャリアを積んでいきたい自分としては、そんなクリエイターの成果物の質をもっと向上させたい想いが湧いてきました。SEとしてはまだまだ学ばないといけない基礎が多いですが、最終的には、世の中のクリエイターの創造力をもっと爆発させられるようなシステムを先頭に立って開発していきたいと考えています。
考え方のポイント
考え方のポイントとして伝えられるのは、記憶に残っている過去の印象的な出来事を、じっくりと思い返してみることくらいです。自分がエンジニアになりたいと思った純粋なきっかけは、実体験に紐づいているはずなので、いつどこでどうやってエンジニアに興味関心を持ったか思い出してみましょう。
エンジニア面接を攻略!キャリアビジョンの伝え方・他に対策すべきこと
1/4|自信を持って話す
キャリアビジョンは、価値観や生き方によって人それぞれ異なります。自分のなりたい将来像を決めるのは自分しかいませんので、面接で聞かれた時は、自信を持ってビジョンを伝えましょう。
聞いている方としても、小さな声で自信がなさそうに話す人よりも、ちょっとやんちゃな夢をキラキラした目で語ってくれる人の方が、魅力的に見えますよね。そして同時に、現実味のあるキャリアプランが用意されていれば、「この人は本当にやりそうだ」という印象を与えることができるはずです。
2/4|エンジニアになりたい理由やきっかけと紐づける
描いたキャリアビジョンを、「エンジニアになりたい理由やきっかけ」と紐づけておくと、面接の場面で一貫した回答をすることができます。例えば、以下の通りです。
(キャリアビジョン)
クリエイティブ系のエンジニアとして、ユーザーをワクワクさせるアプリやサイトを制作したい。
(エンジニアになろうと思ったきっかけ=職種の志望動機)
◯◯社のアプリに出会い、◯◯という仕組みに感動した。自分もこのようなアプリを作るエンジニアになりたいと強く思った。
注意すべきこととしては、エンジニアになりたい理由を示す「職種の志望動機」と、応募企業に入りたい理由を示す「入社の志望動機」は全く別ものであるという点です。しっかりと分けて回答を準備する必要がありますので、詳しくは以下の記事をご参照ください。
3/4|キャリアプランを明確にしておく
キャリアビジョンを描くことは重要ですが、面接でよく聞かれるのは、実は「キャリアプラン」の方です。なぜなら、ビジョンの本気度は、キャリアプランの「具体性」や「精度」で測られることが多いからです。いかに素晴らしいビジョンを思い描いても、キャリアプランにリアリティがなかったり、キャリアパスへのリサーチが甘くキャリアプランにうまく落とし込めていなかったりすると、エンジニアとして実現したいことへの思いはその程度なのだろうと判断されてしまいます。
エンジニア面接におけるキャリアプラン対策は、ぜひ以下の記事を参考にしてみてください。
4/4|入社後にしたいことに落とし込んでおく
「入社後にしたいこと」は面接でよく聞かれる重要な質問の一つです。あなたの長期のキャリアプランを踏まえた上で、志望する企業に入って1〜3年という短い期間で、一体何にチャレンジしたいのかを聞かれています。採用側の意図をしっかりと把握した上で、回答を用意しておくとよいでしょう。
【転職エージェントのすゝめ】企業別の頻出質問・技術質問を教わろう
ここからは、プロのキャリアアドバイザーにサポートしてもらう方法をアドバイスしていきます!自分で考えた回答文やお伝えした注意点やコツをプロにチェックしてもらったり、模擬面接をしてもらった方が勝率がグンと上がりますよ。
転職エージェントを使えば、企業個別の技術質問・頻出質問の対策、模擬面接でのサポート、ES対策、企業分析・自己分析、求人の紹介など、あなたの転職を徹底サポートしてくれます。
下記のどの状況の人でもメリットがあるので、まだ使っていない人は無料相談から進めておきましょう。
シチュエーション | メリット |
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既に採用面接を控えている人 | 模擬面接や面接企業の分析をしてくれる |
応募先企業の固有の 質問を気にしている人 | 応募先企業の頻出質問や気にしていることなど、企業ごとの対策をしてくれる |
応募企業がまだ少ない人 | 応募したい企業をヒアリングしてくれ、ベストな求人をピックアップしてくれる |
転職に自信がない人 | 転職理由や希望条件をヒアリングの上、ベストな応募企業や採用面接のコツをレクチャーしてくれる |
エンジニアを目指すのであれば、IT・Web業界のエンジニア転職に強いエージェントがおすすめ。筆者や同僚も実際に活用していたエージェントをまとめておきます。